最小限情報最大級引力
2010年09月01日 (水) | 編集
art navigation vol.9


「絵」は、何かを伝える為のメディアとして誕生しました。

狩りの記録であったり、呪術や祈り、神様や仏様の教えや言葉、権力誇示。
「美術家」の立場が出来てからは
作家の主張としての自然と動植物表現や社会的メッセージ、宣伝告知
心象風景、等々…。

どんな人、どんなモノ、どんな時代、
どんな場所、どんな境遇、どんな感情…。
何を伝えるかの要素は限りなくありますね。


そして何が描いてあるかに加えて、
どう描いているかも何かを伝えるヒントです。
色彩の選び方や筆の痕跡、
形のデフォルメ(作家の主観で形を変えること)、画面構成、等々…。


自然にそれらを確認した上で、作品の理解に入っていきます。

人が受け取る情報の8割以上は視覚から得ているので、
視覚芸術であるアート作品では当り前の流れです。


でも、説明的過ぎる作品や
あまりに押し寄せてくる「主張」や「情報(イメージ)」は
正直言ってしんどい時がありますね。

具象系の展覧会を美術館で鑑賞した後、ヘトヘトになった経験はありませんか?


作品によりますが、
色と形だけの最小限情報作品の方が
「絵」との心理的対話はしやすいのです。

観る側の心理的態度が解放された状態、
つまり自由でいられるからです。

作品からの「何々な事を考えよ、感じよ。」といった無言の要求がありません。
感情の出入りがしやすいのです。

代表格としては、もちろん「抽象画」がありますね。


けれども具象画であってもそんな作品はあります。

愛と勇気と才能が必要です(笑)

結果として最小限だけど、
そこに行き着く過程は複雑な削ぎ落としを経ています。

音楽、建築、ダンス、古典芸能などの分野でも言えると思います。


具象で最小限情報な作品で、なおかつ評価される作品って、
現代アートでも古美術でも、日本美術に多くあります。


簡単に言うと『カッコイイ!』のです。
簡単過ぎるか(笑)

それに強い引力を持っています。

シンプルで凝縮されたチカラを持ち、
感情の出入りが自由なので、飽きることがありません。



今回のお話の作品一例
(作家名)配島伸彦 *配には草冠が付きます。

poster_convert_20100830164749.jpg

「we love you Nobuhiko HAIJIMA」
9/28tue.-12/18sat.
see saw gallery
http://www.cafe-see-saw.com/
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