光琳 VS 抱一
2010年08月18日 (水) | 編集
猛暑お見舞い申し上げます。


毎日何回「暑いねぇ!」と言われ、
何度「ホント暑いですね!」と返すことか。

あぁ、エアコンや扇風機があって良かった。
電気の無かった江戸時代では
目に涼をとる、粋なデザインや工夫が……

ん?
江戸か…。

そうだ、涼しげな、あの、大好きな作品を取り上げよう!

というわけで。






日本人のデザイン系美意識と情緒が凝縮したような逸品です。

画像は部分で申し訳ありませんが、いつ見ても(画集で)うっとりします。


酒井抱一
『夏秋草図屏風』(画像は夏草の部分)
二曲一双、1821年


ご存知の方も多いと思いますが、
この作品は尾形光琳の「風神雷神図屏風」の裏にありました。

光琳の「風神雷神図屏風」は
俵屋宗達の「風神雷神図屏風」を模写した作品で、
光琳の「風神雷神図屏風」を写した
抱一の「風神雷神図屏風」もあります。

何だか三角関係のもつれのようですが、それぞれの間には100年ほどの年月が経っているのです。

しかも、抱一は宗達の屏風を見ていません。

光琳は宗達のを、抱一は光琳のを見て、
『どっひゃぁ!すっげえ!』
と叫んだかどうかは知りませんが、まぁそういうことでしょう(笑)


大金持ちのボンだった抱一は『アイラブ光琳』過ぎて、
展覧会を開いたり作品集まで出版して、いわゆる研究者でした。

絵師としての抱一は、光琳「風神雷神図」に果敢に挑み、
その答が「夏秋草図」だったのです。



話は戻って「夏秋草図屏風」。

画像の、雨に打たれる夏草は光琳の雷神の裏に。

そしてもちろん、蔦やススキの秋草は風神の裏で風に吹かれている、
という心憎い演出ぶりです。

雨にうなだれる夏草の影には美しい白百合が耐えている。

画面上方では、雨水が流れて…。

光琳の金地に対して抱一は銀箔地。

月光が似合う、本当に素敵な作品です。



江戸の夏は、どんな夏だったのでしょうね…。
Comment
この記事へのコメント
旅とアートと…
猛暑に負けない麦くんを応援してるね。

くれぐれも水分補給を!
2010/08/20(金) | URL | サラ #-[編集]
こんばんは。
こちらこそ、最近始めた上に、気まぐれなブログにコメントありがとうございます☆

2010/08/19(木) | URL | nakajima mugi #-[編集]
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