2011年11月28日 (月) | 編集

日本人は「見立て」が得意だ。
何かに見立てて何かを表現する。
これは、芸術の最初の第一歩に近いのではないだろうか。
洞窟の中で壁面を前に、凸凹を観察し、ちょうどいい具合の
盛り上がりを利用して、獲物動物の体を描いたみたいに。
そんなルーツを経て、偶然出来た現象も見逃さないのが、
日本人のエライ遺伝子だ(笑)
壺や茶碗などに偶然出来た「景色」を
山や空なんかに例えて銘を付け、楽しむのも十八番だ。
その感性には、失敗も成功もなく、あるがままを受け入れる、
おおらかさがある。
写真の猪口も、その一つ。
伊万里の蕎麦猪口の製作過程で
染付呉須が月と虫のように付着して出来たもの。
江戸中期
直径7.3cm