全てを棄てた鳥
2011年02月25日 (金) | 編集
art navigation vol.82



物言わず、思いも出さず、動かない。

まるで標本のように…


ただただ在るのみ。


しかし、在ることに静なる喜びを感じる。



小鳥は美しい羽があり、
愛らしい歌声があり、
憎めない行動をする。


その全てをあっさりと取り去り、最低限のフォルムだ。


しかも鳥の表現で一番少ないであろう視点だ。




美しさも愛らしさも歌声も棄てた、鳥。


それでいて、在ることが嬉しい。

そばに在ってほしい。

そこでじっとしていてほしい。



何かしら、生理的な感覚かもしれない…。



何も思い出さず、
何の言葉も浮かばず、
感情も湖面のように静かになれる。

あ……微かに切ない気がする。




優れた作品だけがもたらしてくれる体験だ。




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今回のお話の作品
(作家名)河野ふみ
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