その「すみか」の奥
2010年11月02日 (火) | 編集
art navigation vol.50



単純化されデザインされた家と木。

色彩はありません。

説明的な情報も一切ありません。


家と木という身近なモチーフでありながら、人の気配はしません。


作家は一体、何を表現しているのでしょうか?



作品に採用されている白い色は、青白い白ではなく、
僅かに温もりを感じる白です。


エンボス加工されたように見える凹凸の表面の中に
何か温度のあるモノが存在していることを想像させられます。



針でプチッと刺すと、何かが流れ出てくるよう…

心の底におりのように溜まった感情の泥…?

いや、異国の砂がサラサラとこぼれ落ちる…?

あるいは柔かな光が洩れてくるのかも…。



小指大に針穴をこじ開け覗くと、別世界が有りそうな気もします。



この作品を見つめていると、
目に映る家や木といったイメージの奥にこそ、
作品の本質的な何かが隠されていることが分かり始めます。


まるで抽象画のように。



一見するだけなら、清潔感のある愛らしい作品。


しかしその奥には確かに何が隠されている…。


外側と内側、見えるモノと見えないモノ。


答は観る人の中にあり、人それぞれ違うでしょう。



あなたにはどう見えますか?
何を想像しますか?




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今回のお話の作品
(作家名)河野ふみ
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