2010年10月27日 (水) | 編集


金唐革手箱。
オランダで壁紙に使われていた革紙が船で運ばれて来て
日本で袋ものや箱に加工されたものです。
壁紙があまりに素敵だったので、
別の物に作り替えて大切にしたのでしょうね。
日本では、障子や襖や欄間額があり、壁紙の習慣はなかったし。
このお話は浮世絵の話に少し似ています。
世界に誇る浮世絵は最初は紙くずみたいにヨーロッパへ渡りました。
「茶箱広重」という有名な話もありますが、
日本から送った陶器の詰め物として
クチャクチャっと使われていたのです。
北斎でさえそうでした。
あちらの目利きな人たちが気付いてから
「ジャポン、スゲー!」っていう驚きとなり、広まっていきました。
そして、皆さんもご存知の通りゴッホを始めとして
印象派の画家達に計り知れない影響を与えます。
見馴れているモノは、
つい価値を見失ってしまうものかもしれませんね。
「金唐革手箱」
革18世紀・箱19世紀
縦27cm・横16cm・高さ10cm