ビルディングと新幹線
2010年10月24日 (日) | 編集
art navigation vol.44


とてもシンプルな作品です。


上の作品はビルディング。
下の作品は新幹線です。

どちらも気に入った部分だけ描いたのか、遠い記憶の断片なのか、
これ以上ないくらい詳細は省かれています。


邪心がないように見える線はフリーハンドによるもので、
完璧な直線はありません。

そのことが作品をある意味いい加減にし、
人の心地に添っているのです。


誰の記憶の奥にもありそうな画像ですね。


色の選び方にはかなり神経を使っていることが見て取れます。

構図上、少なく限られた面に対して
慎重に相互関係を考えて選んだことでしょう。


溶け合いながら甘くなり過ぎず、
全体としての印象を大切にしています。


声高な色がないので、静かに気持ちの中に入り、
記憶の断片を探し始めそのまま溶け込んでいきます。



手元にあった色彩の本で作品に使っている色をあげてみました。

ユニークな名前が付いている本です。

どの色が作品のどの部分か分かりますか?


薄氷のはる水溜まり

平安京の藤棚

空を映す湖

ニッポニア・ニッポン


祝言の朝の桜湯

雨上がりのクモの巣

クレオパトラの真珠

ため息のベール

月夜の杜若

ミッドナイト



img384.jpg


img383.jpg

今回のお話の作品
(作家名)近藤浩平
参考文献・野村順一「私の好きな色」
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