不完全変態バッタ
2010年10月26日 (火) | 編集
art navigation vol.46


バッタは不完全変態だそうです。

不完全変態っていうのは、サナギ期がなく、
幼虫が脱皮を繰り返し成虫になることらしいです。

コオロギやおぞましいゴキブリもそうなんだそうです。

ウヘェ!
虫嫌いの方々、ごめんなさい!



昆虫をモチーフにした作品は珍しく、
しかも今回の作品のようなデザイン的構図は少ないと思います。


例えば、速水御舟「炎舞」の蛾や伊藤若冲の絵画では様々な虫達が
効果的なモチーフとして登場していますが、主人公とは言えません。



今回の作品のバッタはインクで描かれています。

ペン先の細さは、神経過敏にならない程度の細さに留めていて、
それゆえに愛らしさも感じさせます。


バッタの大きさや種類も幾つかあり、
虫嫌いでなければ結構見ていて愉しい。


みんな同じ方向を見て進んでいる。
同じ速さで同じタイミングで、同じリズムで前進している。
何かしら意志が働いている……

ように見えます(笑)


デザイン的で愉しい作品に仕上げている理由は背景です。

それだけでも抽象画の雰囲気を持つ背景は、
明るく強い色を選んでいますね。

黒いインクのバッタと同等のパワーを持たせることで
視線が偏るのを回避させています。

あと、作品の真中央に中心を作らないことでも
視線は全体を曖昧に巡るように仕組まれているのです。



とても身近な存在だけどアートの主人公になりずらかった虫達を
デザインしたユニークな作品。



01_convert_20101015173642.jpg

今回のお話の作品
(作家名)橋本泰枝
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