白と黒の飛ぶ鳥
2010年10月13日 (水) | 編集
art navigation vol.35



写真は瞬間という時間を切り取る。



人やモノを完璧に演出した写真も素敵な作品が多くありますが、
一瞬を過ぎるともう世界が変わっているような
非演出の写真も好きです。


ほとんど運任せのようにも思えますが、
写真家は何かしらの力に導かれているのかもしれません。


今回ご紹介するのは鳥の写真です。


生態図鑑的な写真ではなく、
感受性たっぷりの「鳥」の写真作品はあまり見ないような気がします。


しかも鳥が主人公であり、作家は鳥だけを狙っています。


輪郭をぼかしている為に、夢か幻のような印象を受けます。

全体的に暗く、まるで月明かりだけで撮影した感じがしますが、
これは作家の意図と技量なのです。



それにしても、飛んでいます(笑)

ハッキリクッキリ撮ることよりも、
「鳥が飛ぶ」ことを表現してみせました。


目の前をサ-ッと過るスピード感がありますね。

それ故に鳥の身体の美しさと逞しさと、
何より「飛んでいる鳥」を感じさせる作品として成立しています。



唯一恐竜の子孫である鳥は、こんなにも美しい形となりました。

そして、昔から人間が恋い焦がれる空を飛んでいるのですね。



モノクロでしかあり得ない、
白と黒だからこそ美しい、「鳥」です。



どこか切なさを感じるモノクロ写真作品は、
胸の奥の方で囁きを聞くようで、
何故だか懐かしいですね……。


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今回のお話の作品
(作家名)嘉本哲也
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